童話作家・九十九耕一のブログ
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 オレンチジュース 「あ、これはいいなぁ。よし、買おう!」 次の日、学校から帰ってくると、お母さんに呼ばれた。台所で、オレンチジュースを作る特訓をするんだって。 「さあ、オレンチジュース、作るぞー」 「オレンチジュースの楽しいところは、好きな組み合わせができるところだ」 ご注意 このお話の著作権は著者・九十九耕一にあります。 PR
羊飼いの贈り物
『羊飼いの贈り物』
羊のハルは、四月が嫌いでした。羊の毛を刈られる時期だからです。ただ、ハルの毛は他の羊達と違って、上物の毛らしいのです。 そこへ、羊飼いのバズが、バリカンを持って羊小屋に入って来ました。 「お前達、おとなしくしてるんだぞ」 と、バズは次から次へと羊逹の毛を刈っていきました。ハルは、羊小屋の端の方で、体を小さくしています。他の羊逹は、みるみる間に丸裸になっていきました。 「さあて。最後はハル、お前だけだな」 バズはそう言うと、ハルの毛を刈り始めました。 「お前の羊毛は、上物だから高く売れるんだ。ヘへへ、今夜はパンじゃなくてステーキだな」 そして、もう少しで刈り終わろうとした時です。バズはバリカンの刃先で、指を少し切ってしまいました。それを見たハルは、バズの傷口を優しく舐め始めました。 「ハル、大したことはない。大丈夫だよ」 バズはそう言うと、残りの毛を刈り終えて、バリカンを置いたまま羊小屋を出ていきました。 その日の夜、冷たい雨が降ってきました。他の羊逹は、寄り添うように眠っています。ところがハルは寒くて眠れませんでした。足がガタガタして、まるで冬のようです。 そこへ、バズが置き忘れたバリカンを取りに、羊小屋に入って来ました。バズは、寒そうにしているハルをチラッと見ると、バリカンを持って羊小屋を出ていきました。 夜もふけて、雨はいつの間にか止んでいましたが、寒さはそのままでした。ハルは、羊小屋の隅で体を丸くしていました。すると、ハルの体の上に、パサッと何かが乗りました。ハルがよく見ると、それは新品の大きな羊毛ジャンパーでした。 とても暖かいジャンパーです。ハルは、足の震えもなくなり、気持ちよく眠りにつきました。 バズは、暖炉の前でパンをかじっていました。 「ステーキは、また今度だな」 バズは、スープを飲みながら微笑みました。 (おわり) ご注意 このお話の著作権は著者・YUKIにあります。 |
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私も執筆しています。
コルクンの本棚
プロフィール
HN:
九十九耕一
年齢:
54
性別:
男性
誕生日:
1970/10/10
職業:
童話作家
自己紹介:
童話を書くかたわら、「つくも堂まめ本舗」として豆本も作っています。
創作のこと、豆本のこと、コルク人形「コルクン族」のことなどを、こちらに書いていこうと思っています。 ブログタイトルは「どんぐりも背くらべ」。ことわざ「どんぐりの背比べ」は、なんだかあまりいい意味ではありませんが、「の」を「も」に変えたら、すごく活発で、チャレンジ精神にあふれた感じになりました。どんぐりは、元気なほうがいいですよね。
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